左右分離型自作キーボードのTRRSケーブルを自作する
自作キーボードで使うTRRSケーブル
左右分離型のキーボードを自作している皆さんにはお馴染みの、左右の橋渡しをするTRRSケーブル。 市販されているものもありますが、当然オーディオ用として販売されているもので、使えるもののやけに長いなどといった不満がつきもの。
思い切って自作したのでその記録
※あくまで私が右往左往して集めた情報です。私自身は電子工作初心者で、仕組みもあまり知らないレベルです。その点ご了承ください。
素材編
にるぽさんのブログとケーブルキットのビルドガイド を参考にしながら作った。
購入した素材は
- 3.5mm 4極 ミニプラグ
- 4芯ケーブル
- パラコード
- 収縮チューブ
プラグの内径(ケーブルが通るところ)、ケーブル径、収縮チューブ径、パラコード径がどんなバランスになっていればよいかいまいちわからず、素材を何度も買う羽目になった。
プラグ選定
ネットで「3.5mm 4極 プラグ」だとか「3.5mm 4pole plug」などと必死こいて調べる。 プラグそのものの構造に関してはプラグ形状がストレートかL字かという点と、もう一つ半田付けする箇所の形状に大別して二種類あります。
はんだ付けする箇所のタイプについては、
このタイプか www.aliexpress.com
このタイプ
【ノーブランド】φ3.5mm ミニプラグ 修理交換用 3個セット (4極) [並行輸入品]
- 出版社/メーカー: ノーブランド
- メディア: ホーム&キッチン
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今回は、さくっと安めにたくさん手に入れられそうな後者を購入したものの、(先述したブログでも言及されているように)やっぱり実装難易度は高く感じた。
2~3個は絶縁体を壊してダメにした。 そうとはいえ、そもそも私は電子工作は(自作キーボードを作った程度の)初心者であり、今回選んだプラグも割と小さめのものだったことを踏まえると、熟練でなくてもできないことはないという感じ。 (ただし、後述するように様々なグッズがないと厳しかった)
良さげなものをえらんだら、そのプラグの「内径(ケーブルが通るところ)」 をチェック。 これが他のケーブル等のサイズを選ぶ際の基準になる。
ケーブル選定
今回は4芯のケーブルを使用。 3芯シールドケーブルを使ったという情報もあった。
パラコード径とケーブル径は概ね1mmの差があればいいよう。
- 3mm径のパラコードに2mm径のケーブルでピッタリ
- 4mm径のパラコードに2.7mm径のケーブルが少しゆったり
といった感じ。
ちなみに使ったのは
協和ハーモネット スリムロボットケーブル 5m KRT AWG28 X 2C 5m
- 出版社/メーカー: 協和ハーモネット
- メディア: Tools & Hardware
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協和ハーモネット スリムロボットケーブル 5m KRTF AWG32 X 2C 5m
- 出版社/メーカー: 協和ハーモネット
- メディア: Tools & Hardware
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上記の4C(4芯)のもの
細いケーブルを探したのでなかなかに難航した。
上記の商品の名前にある”28AWG”だとか、”32AWG”だとか書いてあるのは、ケーブルの太さの単位なのだが、 これは中に入っている1つ1つの芯の太さについていっているものなので、ケーブル自体の太さとは異なる。
ケーブル全体の太さについては、ECサイトたちの説明に乗っていないこともしばしばだったが、 だいたいはメーカーの製品仕様みたいなところに”仕上がり外径”として記載されている。
上記の協和ハーモネットさんのケーブルなら、以下の製品カタログに載っていた
その他素材選定
- パラコード
特に変わったものは買っていない。気を付けるのは先述したケーブル径との兼ね合い。今回は1mm差で丁度だったものの、 パラコードによっても若干変わるものなのかもしれない。
反射材付きなるものがあるが、反射材の部分だけ素材が違う感じになる。 - 収縮チューブ
チューブのかぶせ方によって、適切な太さのものを選ぶと良いプラグの中に通す場合はケーブル+収縮後のチューブの厚みがプラグ内径を超えないようにしておく。
ケーブルと同じで、収縮後の厚みが分からないなどの場合はメーカーのサイトにいくと仕様として書かれているのでチェックする。
道具編
道具について留意する点は以下
- こて先は、デフォでついてたやつより一回り小さいものを使用した。細かい方がやりやすい
- 出版社/メーカー: 白光(HAKKO)
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- こまかい作業なので、虫眼鏡がついた土台的なやつがないときつい
- 出版社/メーカー: 太洋電機産業
- メディア: Tools & Hardware
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- ヒートガンを持ってなかったら買う
- ケーブルストリッパーも買う
- 選んだケーブルの太さの物がきちんと切れるやつを買う。最悪一番外側の膜はいいとしても、芯になっているケーブルは相当に細いので、そちらが切れるものを買っておくとよい。
作業編
手順については参考元のビルドガイドが詳しい
気を付けたことは以下
- 予備はんだはケーブル・プラグ側共に行う
- 片側のはんだ付け終了後、はんだ付済のプラグと、これからはんだ付けする逆側のケーブルとの間で導通チェックをする
- 最後まで突き進んでミスするよりも精神衛生によい。ここで既に失敗していて、リカバリを諦めたとしても反対側のプラグは使わずに済む。
- どこの極にどの色のケーブルをはんだ付けしたかを、反対側で絶対に間違えない!
- 難しいはんだ付け形状のプラグでは、GNDははんだ付けしやすいので最後にはんだ付けする
感想
自分の好きな長さでケーブルを作れるのは良い。ただしそんな何本もいらないので、素材は余る(パラコードとか)。
道具とかもこれの為に買ったものも多かったので、イヤホン用のケーブルでも自作してやろうか、という気持ち。